自律神経失調症だった内観者の体験事例です。

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心身症だった内観者内観療法を研修して、頭痛や肩こり、不眠が改善したということはよく聞きます。内観によって頭痛の種が消え、肩に乗っていた精神的な重荷が軽くなり、思い悩むことが少なくなって眠れるようになったのでしょう。心身症というのは症状の出現や経過に心理・社会的要因が関与している身体症状を指しますが、内観療法によって症状を引き起こした要因が変化して、身体症状が改善すると考えられます。 心身症〜13年間の下痢から救われた青年の事例〜
内観するまでここで紹介する事例は、クローン病という難病によって13年間の下痢に苦しんでいた青年渉渉さん(仮名)です。私たちの奈良内観研修所ではなく(当時はまだ開設していませんでした)、吉本伊信先生が活躍なさっておられたころの内観研修所(現在の大和内観研修所)で内観した例です。私(三木善彦)の『内観療法入門』創元社を読まれたのが縁で内観され、後に私もお会いできました。渉さんの体験記を要約しましょう。 内観前の症状中学1年生の頃から下痢と腹痛に悩まされる。高校1年生の時、回復の難しい小腸の潰瘍、クローン病と診断され、手術を受けるが回復せず、日に5〜6回の下痢が約13年間続く。大学を卒業して就職するが、下痢のため毎日10回以上もトイレに立ち、そのみじめさに耐えかねて退職してしまいます。そして、まるで魂の脱け殻のようになっていました。 内観の様子知人の紹介で『内観療法入門』を読んで、研修所の門をくぐりました。1〜2日は雑念に悩まされましたが、内観が進むにつれて、下痢に悩む息子をもった母や父の苦しみと愛情を実感し、涙が溢れました。3日、4日と経つうちに下痢をしなくなったなと感じたのです。 内観後の様子研修を終えて研修所を後にした時、五感が鋭くなったような感じを受けました。周りのもの全てがきらめいて、宇宙の恵みを受けて生かされているのだぁとしみじみと感じました。 内観16年後の渉さん16年後にお会いしましたとき、こんなことを言っておられました。 クローン病は小腸の潰瘍に起因する身体的な病気ですが、症状形成に心理的な要因が潜んでいることもありそうだということを、渉さんの例は示しています。内観前、渉さんは下痢のみじめさに圧倒され、人生に絶望していました。 しかし、内観して両親の愛情を実感し、(ここでは示されていませんが、病気を口実に自分勝手な生活をしていた自分の姿を恥じ、)生かされている喜びを身に沁みて感じたことが、症状好転のきっかけになりました。それから後はたとえ下痢があっても、絶望せず、下痢に振り回されない人生になったようです。人間の体と心の微妙な関係を示唆しています。
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