内観療法の効果はさまざま。その一部をご紹介しています。

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内観療法の効果と限界内観のテーマについて精神分析療法ではそれを受ける人に自由連想を求めますから、焦点をしぼるのに時間がかかるようです。それに対して内観療法では、「世話になったこと、して返したこと、迷惑をかけたこと」の3点に絞って具体的な事実を想起するように求めます。このように的を絞っていますから、内観療法は短期間で効果を挙げるといえましょう。 しかし、内観療法で取り上げる内容が限定されていることは、同時にそれが限界にもなります。例えば、過去に愛情体験の少ない人の場合は、世話になったことを思い出すのが困難なことは想像に難くありません。親から虐待され、迷惑をかけられた経験の多い人にとっては内観のテーマは無理なことといえましょう。その場合は、例えば精神分析療法やクライエント(来談者)中心療法などで、面接者からの長期にわたる変わらぬ尊重や共感を体験することや、現実の人間関係での愛情体験を重ねることが必要です。 ただ、「愛情の少ない、ひどい親に育てられた」と思い込んでいる人も、内観すると思いがけず、愛情体験が浮かび上がり、自己像や他者像が変容することが少なからずあり、最初から内観療法の適応が困難と判断することは早計です。また、内観療法の過程で、親に対する怒りや憎しみの強い人には、それらを十分に吐き出すカウンセリングを実施すると、後の内観が進展することを私たちは何度も経験しています。 内観療法の期間について内観療法は1週間という短期間で一応の成果をあげます。精神分析療法がたとえ教育分析であっても、数カ月や数年かかるのとは大違いの利点です。どのような心理療法でも、その過程でそれを受ける人に心理的な苦痛と経済的時間的犠牲を与えるので、それが短期間ですめば、幸いなことです。例えば不登校などの事例は長期に休むことによって、人間関係がさらに悪化し、学業が遅れ、登校を困難にしていることが多いので、内観療法のような短期終結型の心理療法はもっと活用されてよいと思います。 しかし、1週間という限られた期間では、精神分析療法でいう徹底操作(問題を深く徹底的に見つめること)ができません。不徹底なまま終結した内観者は、問題を再発することも考えられます。また、1週間の1度のカウンセリングでは、カウンセリングでえた洞察や経験を日常生活の中でテストし、その結果を次のカウンセリングで話題にでき、現実適応を徐々にしていけます。 それに対して集中内観は日常生活から遮断した状況で行われ、日常生活に戻ってからはひとりで現実社会に適応していかなければなりません。もともと社会的に適応していて、自己啓発を目的に内観した人や不適応の程度の軽い人は、内観での洞察や経験を生かしていくだけの力がありましょう。しかし、症状の重い、あるいは根の深い問題の解決を求めて内観した人の場合は、現実適応のプロセス(道程)をともにしてくれる援助者が必要でしょう。 もちろん、症状の重い人の場合は家族とともに研修するのが普通ですから、家族の援助がえられる可能性があります。またそのような人は病院や学校、その他の相談所からの紹介が多く、内観終了後はその施設での治療やカウンセリングが続行されることもあり、研修所からのアフターケア(その後の支援)が必要でないこともあります。しかし、一般的にはそれほど多くのサポート(支援)が期待できず、内観終了後のサポートネットワークの構築が今後の課題のひとつです。奈良内観研修所では遠方でない人の場合、必要に応じて内観後のカウンセリングを実施しています。 また、大きな精神的トラブルの解決のためには1週間では短すぎるという意見がある一方、自己啓発のために研修したいという人にとっては1週間は長すぎるという意見があります。つまり、家庭や職場に適応している人にとって1週間も仕事から離れることは、よほど周囲の理解と本人の意欲がなければ困難です。その問題の解決のため、最近は2泊3日の短期内観研修会の試みもあります。私たちの経験でも、社会的に適応し、精神的に健康な人は、短期間のうちに大きな洞察をするのもまれではありません。 内観療法の研修をお断りすることもあります内観療法は朝から夜まで、ひとり静かに個室で、内観のテーマにそって自己を見つめることに集中し、結果を面接者に報告するという条件を守ることが必要です。そのため、次のような場合には研修をお断りしています。
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