内観療法の効果は続くのか?

内観療法は効果があっても、年月が経つにつれて感激も薄れ、効果は消えてしまうので内科という疑問が起きても不思議ではありません。そこで、私たちの研修所で内観療法を体験して1~4年経過した334名(男子142名、女子192名)に質問紙を郵送し、「内観研修はためになったか(効果がありましたか)」という質問などに自己評価で回答を求めました。回答のあったのは152名(有効回答150名、無回答2名)で回収率は45%でした。その結果は次のようになりました。

 
内観終了時
1ヵ月後
現在
非常にためになった
64人(43%)
48人(32%)
30(20%)
かなりためになった
56人(37%)
57人(38%)
50(34%)
多少はためになった
16人(11%)
38人(26%)
57(38%)
ほとんどためにならなかった
4人(3%)
5人(3%)
9(6%)
全くためにならなかった
0人(0%)
0人(0%)
3(2%)
かえって悪くなった
0人(0%)
1人(1%)
0(0%)
わからない
10人(7%)
1人(1%)
1(1%)
150人(101%)
150人(101%)
150人(101%)

この結果から、内観療法の効果は時間がたてば少し薄れますが、かなり効果を持続するのではないかと思われます。そうはいっても、「内観療法を研修すれば効果抜群」というような万能幻想を持つのは間違いだということもわかります。
効果として1~4年経った現在も、「相手に感謝するようになった」、「自分の行いに対し反省するようになった」、「自分の欠点を受け入れられるようになった」という回答が多くありました。

いくつかの事例を紹介しましょう。

事例1 人間関係に悩む女子学生

内観の目的

「人間関係で悩んでいるので、自分が変わって、楽になりたいです。友達と話している時でも、いつも嫌われないようにと思って話するから、楽しくないし、人と付き合うのが苦しいです」

内観直後の感想

「内観はとにかく感謝を押しつけるものだと思っていましたが、実際はまったく違うものでした。うまく言えないけれど、感謝を押しつけるのもではなくて、自分を見つけ、見つめるものだなと思いました。私は涙を流して生まれ変わったわけではありませんが、心にずっとあった荷物がおりて、気持ちが軽くなりました」

彼女は自分を見つめ直すことで発見した「自分の苦しめていた理由」をこう話します。
「私は自分を苦しめているのも、こんなふうになったもの親のせいだと思っていました。『どうにかしてくれ!』とずっと考えていましたが、内観をした後には、自分を苦しめていたものは親ではなくて、私自身であることに気がつきました。私には自分さえよければ、他はどうでもいいという気持ちがあること、また、常に自分のことしか考えていないということが、自分を苦しめていたんだと気がつけて本当に良かったです」

そして、自分の取ってきた行動を恥じ、家族を認めるようになります。
「家族には、申し訳なかったと思います。今まで私は自分中心に振る舞ってきたので、これからは他の人の立場も考えて行動していきたい。家の人がまだ寝ているにもかかわらず、ヒステリックにわめき散らしたりすることは、もう絶対にしない。私にはそんな行動をする権利があると思っていたことが、今はすごく恥ずかしい・・・」

内観から1年1か月後

「私は内観に行って、はじめて自己中心的であった自分に気がつくことができました。たぶん内観をしてなかったら、このことには気がつかなかったと思います。また、父母に対して、その両親(祖父母)のことも考え、ただ批判していたのが、そういう環境で育ったのならば、仕方ないなと思えるようになりました。三木潤子先生にはストレートに色々と言われました。それがすごく納得できてうれしかったです」

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事例2 娘の問題行動に悩む40代の母親

内観の目的

「長女の問題行動で悩んでおり、学校からもすすめられました。日頃忙しいを理由に、じっくり長女についても考えられなかったので、この機会に長女との関係を向上させたいと思います」

内観直後の感想

「長女は人の五倍ほど手のかかる『やんちゃでわがままな子』と強く頭の中にインプットしていました。そのイメージをずーっと持ち続け、たかが小学校の低学年の長女に、みんなと仲良く遊んでいるかとか、口うるさく指示して、ぎゅーと抱きしめることもなく、頭のイメージに縛られ、とらわれていました。指示することが愛だと錯覚していました。ほんとうの愛は、無条件にここにいるだけでうれしい!と抱きしめることなのに、さぞ寂しかったでしょう。今からでも謝って、ぎゅっと抱きしめたい」

内観から1年5か月後

「お蔭様で、高校生活もあと半年足らずとなりました。その後、友達関係などのトラブルもあって学校に行けない日々もありましたが、専門学校への進学も決まり、卒業も遠いことではなく、現実のものになりそうです。親と子で内観に行ったことは、娘との共通の体験を持ったことで、心が通じ合える、目に見えない何かを感じています。親に苦労やストレスを与える出来の悪い子供と思い込んでいたあの頃は、そういう私の考えが親子関係や非行の原因だったと思います。今では娘を認められるようになり、親と子の関係も本当に良くなりました。ありがとうございました」

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事例3 過食症に悩む20代の女性

内観の目的

「中学3年の夏ごろから拒食症になりました。高校入学時には治っていたのですが、高校2年の夏ごろから今度は食べだしたら止まらなくなったのです。過食症になり、そのまま登校拒否になりました。卒業し就職したものの、過食症は今も続いています。結婚をしましたが、トラブルがあって入籍せずに実家に戻りました。一から出直すためにも、過食症を治さなければと思い内観に来ました」

内観直後の感想

「終わってみると、拒食症でけでなく、他のこともハッキリ、スッキリしたように思います。自分が今まで当然のようにしてきたことがどんなにむごいことだったか、ここまで私のことを大切に育ててきてくれた両親の優しさや愛情に気づかず、どんなに苦しめてきたかを知り、ほんとうに申し訳ないことをしてきたと思いました。内観を終えたことで、これから笑って再出発できそうです。過食症も急に治るとは思えませんが、気持ちが今までの投げやりでどうなってもいいという気持ちから、両親からもらった大切な身体だから大切にしなければという気持ちに変わったような気がします」

内観から3年1か月後

「内観後は人間関係がうまくいかなくなった時、自分自身のことを考えたり、相手の人に今までしてもらったことなどが頭の中にどんどん浮かんできて、自分をおさえて自然に相手に譲れるようになった。結婚も決まり、今は前向きに物事を考えられるようになりました。いろいろとありがとうございました」

事例4 人生に投げやりな30代の女性

内観の目的

「人生に対して少し投げやりになっているように感じ、家族に対しても不機嫌な態度をとってしまう。ささくれた心を癒し、自分を見失わないようにしたいと思っています」

内観直後の感想

「今回気づかせていただいた周囲の方達への感謝の気持ちを忘れず、自分の欠点(自己主張の足りないことや、自分勝手なことなど)を繰り返さないようにします。行動に表していきたいと思います。肩肘(ひじ)を張らず、心軽く、でもちょっと努力して。心を掃除し、心に新しい電池を入れ、エネルギーを充たす手伝いをしてくださって、ありがとうございました」

内観から4年10か月後

「内観後、一番よかったと思うのは、家族との関係です。両親への感謝の気持ちがわき、妹へのねたみが消え、そして一番楽になったのが、自分自身です。過去のさまざまな思いを変容させる(闇から光へ)ことができ、ほんとうによかったと思います。あの一週間はお金では買えない私の宝物として、今もまだ残っていると、アンケートに答えながら感じました」

このように内観療法が長期にわたって効果を上げていることを知って、うれしく思いました。アンケートにご協力くださった方々に深く感謝いたします。ここに引用したのは偶然にも女性ばかりでしたが、男性でも同様です。
 もちろん、よくなったからといって、内観療法だけの成果ではありません 内観の体験や洞察を日常生活の中で行動に移した本人の努力と家族をはじめ周囲の人たちの支えなどのおかげです。

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