なぜ、内観療法は効果があるのでしょうか。内観療法によって成功したいろいろな事例を調べて見ると、それらに共通する「よくなる」要因は、次のようにまとめることができます。

愛情の再体験

愛されていた自己を洞察することによって、愛されていなかったのではないかという不信感や被害者意識、あるいは愛情飢餓や寂しさが癒されます。その結果、人間や世の中に対する信頼感が生まれ、心が満ち足り、安心感に包まれます。そして、硬く閉ざされていた心が開かれ、周囲の人々や動植物に自然な愛情が湧き、生きていくことへの自信や困難な現実に直面する勇気が生まれてきます。

自己中心性の自覚

自分の自己中心的で身勝手な考えや行動によって周囲の人々がどれほど迷惑し、つらく寂しい思いをしたかを自覚します。そして、周囲の人々を非難する態度が消え、母や父や配偶者や子どもなど一人ひとりが喜びや悲しみを感じるかけがえのない人間であることを実感し、共感性が向上します。また仕事や勉学や人生に対する自己の責任を自覚するようになります。

意欲の向上

内観療法は周囲の人々との関係を過去から現在まで、表層から深層まで、そして多面的に掘り下げて考えるチャンスです。その当時は理解できなかったことも、今から見ると、誤解だったたと気づかされることもたくさんあります。その結果、自己や他者を重層的、多面的、歴史的に理解し、自己理解や他者理解が深まり、精神的に健康になり、社会的に適応した行動がとれるようになります。

もちろん、これらのことは内観療法を研修した人が、自分の力で発見し、行動に移して いった結果です。内観療法は基本的には自己治療の色彩の強いものですから、ともかくもご本人が熱心に取り組むことが大切です。もちろん、私たち面接者も協力して、研修され る方々の自己探究の道を一緒に歩ませていただきたいと思っています。

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